トマトソースはイタリア料理の定番。さまざまなパスタ料理に応用できるのはもちろん、ピザソースとしても活躍します。
イタリア人に「トマトソースの材料は?」と尋ねると、「トマト、たまねぎ、ニンニク、バジリコに塩コショウ…」と、ここまでは誰もが同じ答えのはず。でもその先となると、イタリア人同士であっても大きな論争が巻き起こります。どの品種のトマトを使うのか? たまねぎとニンニクの量は? バジリコの種類は? そして煮込む時間は…? 「スーゴ」はイタリア語で広く汁やソースを意味する言葉とあって、それぞれの地域や家庭で必ず入れる特別な材料も異なります。
まずは基本の作り方を。材料は、身が締まって酸味が少なく香りの良い完熟のプラムトマト1キロに対し、たまねぎ1個、ニンニク1かけ、葉を取り除いたバジリコの茎2本。たまねぎとニンニクの皮をむいて粗みじん切りにし、大さじ2杯のオーリブオイルで炒めます。この時、焦げ目がつかないよう火加減に気をつけてください。ここに、洗ってみじん切りにしたトマトとバジルの茎を加えます。沸騰したら、蓋をしないで中火で1時間ほど煮込んでください。その後、ザルで濾してからもう少し煮詰め、塩と挽き立ての黒コショウで調味し、砂糖をひとつまみ加えてでき上がり。このままピザ生地に塗ればピッツァ・マルゲリータに。パスタソースとして使う時は、食卓に出す直前に刻んだバジリコの葉を散らしましょう。
次に、オプションを少しご紹介しましょう。たまねぎとニンニクを炒める時に、ニンジン、根パセリ、根セロリ、セロリ、ポロネギなどお好みの野菜をみじん切りにして加えると、より複雑な味わいに。オレガノ、タイム、ローズマリー、ローレル、マジョラム、セージ、タラゴン、ミント、ラベージ、ジュニパーベリー、ケーパー、クローブ、チャービルなどのハーブやスパイスは、それぞれ独特の風味をプラスします。また、ワインや野菜ブイヨンを加えると味にフルーティーさと深みが増します。
文:ライナー・マイヤー