ハーブ百科
ハーブ百科
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ア
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アニス(学名:Pimpinella anisum)
アニスの味に似ているのは夏の味、地中海の味、パスティスやラキやウゾーのようなリキュールの味、それとも甘草の味でしょうか。 若い葉は野草のサラダにほのかな甘い風味を与え、花は美しい食べられる飾りになります。 種は茶色くなると採られ、挽きたてまたは全粒が焼き料理、スープやソース、そして何よりカレーに使われます。 また、あらゆる豆類との相性が抜群です。
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イ
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イワミツバ(学名:Aegopodium podagraria)
大方の人にとって、イワミツバは手に負えない庭の雑草にしか見えないかもしれませんが、このセリ科の植物の葉は3~4月にかけてニンジンやセロリのような味になり、さまざまな使い方ができます。 葉は野菜、スープ、ソースに風味を添えるほか、単独の野菜としても芋類との相性が抜群で、バターを塗ったパンのトッピングにもぴったりです。 若い茎は野菜として調理でき、美しい花(6~8月)は食することのできる飾りになり、卵のような形をした実は、キャラウェイと同様、スープやシチューにぴりっとしたひとひねりを効かせます。
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オ
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オレガノ(学名:Origanum vulgare)
生のものも乾燥させたものも、ワイルドマジョラムと共にこれほど地中海料理と密接に結び付けられているスパイスはありません。 地中海沿岸や小アジア、西アジアで約40種類が栽培されています。 オレガノは摘みたてより乾燥させたもののほうが味が強まることの多い数少ないハーブの1つです。 葉や茎を使いますが、花も食べられ、つまに適しています。 オレガノはトマトソース、焼き野菜、肉の味を整えますが、おいしいピザやチリコンカンにも必ず使われています。 オレガノは酢漬けにしたオリーブ、ラベージの葉、ケーパー、フェタチーズとの相性が良いのですが、常に注意が必要です。というのも、風味が強く、他の材料の風味をすぐさま覆い隠してしまうからです。
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カ
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カイエンペッパー(Capsicum annuum var. acuminatum)
カイエンペッパーはカイエン種のチリを乾燥させ、挽いて作ります。 そのため、植物学的には真のペッパーではありませんが、トウガラシ属の仲間です。 処理中に隔壁や種も含められるので、カイエンペッパーはブラックペッパーよりたいへん辛く、かすかにフルーティーでスモーキーな風味に苦味が含まれています。 中南米が原産ですが、この「スパニッシュペッパー」はスペイン人やポルトガル人によってヨーロッパやアジアに持ち込まれました。
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カフェライムリーフ(学名:Citrus hystrix)
カフェライムリーフは、同名のミカン科の木から採れます。 葉にはとても刺激の強いレモンのような苦い風味があります。 東南アジア(タイ、カンボジア、マレーシア、インドネシア)やレユニオン(フランスの海外県)の料理で重要な役割を担っています。 ヨーロッパのベイリーフ(月桂葉)の場合と同じく、生葉や乾燥させた葉を、ソースやスープそしてシチューを煮るときに加え、食卓に出す前に取り出します。
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ガーリック(学名:Allium sativum)
好みはきれいに分かれます。 大好きな人もいますが、大嫌いな人もいて、それはおそらく本当に新鮮なガーリックを食べたことがないからでしょう。 この球根植物の鱗茎は、古代に中央アジアや南アジアから地中海を経てヨーロッパに伝わりました。 ガーリックは温かい料理にも冷たい料理にも香味を添えるために使われ、どのような料理にも間違えようのない独特な風味を添えます。 ローストする際には、苦くならないようあまり焦がさないでください。
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カルダモン(学名:Elettaria cardamomum)
ショウガ科に属するこのスパイスなしにはカレーは存在しなかったでしょう。そして、カルダモンの持つレモンやシナモンのような風味なしには平凡な味になってしまうスウィーツもあったでしょう。 カルダモンは古代ギリシャ人にとって高価な輸入品で、古代ローマ人もこのスリランカ原産の植物の風味を愛でました。 三角の実に収まった黒い種は、極東のほとんどあらゆるカレーに用いられている一方、アラブ諸国ではコーヒーの風味付けに用いられます。 スカンジナビア諸国では、クッキーや甘いパンだけでなく、肉入りパイやソーセージの風味付けにも用いられます。 必ず、コーティングされた鍋で油を引かずに香りが立つまでローストし、乳鉢で挽いてから使ってください。
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カレーリーフ(学名:Murraya koenigii)
カレーリーフの主な産地は東南アジアですが、ヨーロッパの日当たりの良いバルコニーやテラスに置いた鉢でも育ちます。 高さ2メートルほどにまで育つ木の光沢のある緑色の葉は、少し触れただけでカレースパイスミックスのような強い香りが指に付きます。 葉を乾燥させると風味がすぐに失われます。 カレーリーフはアジア料理、肉、魚、野菜、チャツネにスパイスを効かせます。
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キ
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キャラウェイ(学名:Carum carvi)
キッチンにおけるキャラウェイは真の何でも屋です。 1年目の葉や若い茎はサラダ、スープ、ソーセージに使われます。2年目になると、その花は食べられる飾りとして、あるいはサラダに使われ、さらには熟した種がローストポテト、パン、肉料理、そして何よりキャベツの料理で使われます。これらはキャラウェイを用いることで消化されやすくなります。 キャラウェイの種は、アニスやフェンネルの種と同様、間食にもなります。 9月頃から、根がスープやシチュー向けの風味豊かなスパイスになります。
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ク
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クローブ(学名:Syzygium aromaticum)
クローブは、強い芳香と刺激の強いスパイシーな味をもつクローブの木のつぼみから採れます。原産地はモルッカ諸島で、今ではザンジバルやマダガスカルでも栽培されています。 分量に注意してください――クローブはマリネ、ソース、スープ、スープストック、ソーセージ、肉料理、魚料理、レーブクーヘン、カレー料理、そして忘れてならないグリューワイン(モルドワイン)やパンチに、スパイスを効かせます。 茎は苦く、花穂のみを用います。
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クミン(学名:Cuminum cyminum L.)
クミンは特に中南米、北アフリカ、ほとんどのアジア諸国とインドで、スパイスとして好まれています。 この小さな灰緑色の実はよく、玉ねぎと一緒に油で揚げられたり、ドライローストして使われたりします。 クミンはカレー粉やタンドーリ料理に欠かせない材料です。 ローストされたクミンはコリアンダーと混ぜられることが多く、その芳香はスリランカ料理や南インド料理の最も重要な特徴の1つとなります。 また、アラブ料理にもよく使われ、 タジンというミートシチューの代表的なスパイスでもあります。 原産地は西アジアで、聖書の時代から栽培されています。
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ケーパー(学名:Capparis spinosa)
ケーパーは、南ヨーロッパや地中海沿岸全域に自生するフウチョウソウボクの花のつぼみを酢漬けにしたものです。 春に手摘みされる咲く前のつぼみは生食できません。 1日乾燥させてから、粗海塩、塩水、酢、油に漬けると、そこにスパイシーでぴりっとする風味が移ります。 小さいケーパーほどいい味をしています。
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コリアンダー(学名:Coriandrum sativum)
アラブやアジアの家庭料理と同様、ヨーロッパの料理でも人気になりつつあります。 食通は、そのスパイシーでさわやか、ほのかに甘い味がする葉と、イタリアンパセリ、アニス、ミント、柑橘果皮を思わせる独特な芳香を愛でます。 この芳香の強い新鮮な葉や若い茎だけでなく、白い花やスパイシーで甘い香りのする小さな実も、さまざまなカレー粉に欠かせない材料であり、ソースやマリネに独特な香り付けをもたらし、ピクルスやパンプキンの缶詰のスパイスとしても用いられています。 コリアンダーの葉はパセリのように使われますが、デリケートな茎を刻んで用いて風味を強めることもできます。
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サマーセイボリー(学名:Satureja hortensis)
サマーセイボリーは地中海沿岸やインド、南アフリカ、北米に見られます。 ほろ苦い味とほのかなタイムの香りの元は多様な苦味物質で、消化を助ける働きも持っています。 生の、あるいは乾燥させた葉や茎のコショウのような味は、豆類やラムや芋類の料理、シチュー、マトンなどの脂っこい肉、サラダとよく合います――ただし、少量なら。 この1年草は味が非常に強いので、控え目に使い、料理には最後に添えるようにしてください。 このように控えめなセイボリーは、日当たりが良くて温暖な場所と、軽くて水はけの良い土を好みます。 6~9月に収穫できます。
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サフラン(学名:Crocus sativus)
サフランの花の柱頭は1つ1つ手で摘むしかないので、サフランは世界で最も高価なスパイスになっています。 残留水分から逆算すると、あの橙黄色のスパイスを1 kg得るために10万~20万個の花が必要となります――摘み手1人が1日で摘めるのは60~80グラムです。 キッチンでは、サフランは着色料兼スパイスとしてケーキやスープ、魚介料理のソース、リゾットやパスタで使われます。水溶性なのは含まれている黄色いクロシンだけで、赤れんが色のカロチンは水に溶けません。 サフランはごく少量だけ使ってください。多すぎると辛みと苦味が強くなりすぎます。 ベニバナ、タンポポ、マリーゴールド などから採れる代替サフランには味がなく、黄色くするだけです。 粉末のサフランは避けてください。それが本物かどうかは使ってみるまでわかりません。
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シ
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シナモン(学名:Cinnamomum verum J. S. Presl)
シナモンはシナモンの木、特にセイロンシナモンの木の樹皮を乾燥させたものから採れます。 最古のスパイスの1つで、中国では3,000年前という、キリストが生まれる前から使われていました。 シナモンスティックはそのままでは使いません。砕いて、鍋で油を使わずローストすると、やがて芳香を放ち始め、粉々になります。 スウィーツ、焼き菓子、ココア、マルドワインの風味付けに用いられますが、狩猟の獲物の肉料理に添えるダークソースにも使われます。
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ジンジャー/生姜(学名:Zingiber officinale)
この香味豊かで万能な植物は、南アジアの暖かく湿った熱帯のジャングルに自生しています。 キッチンでは、ベージュ色の根茎が肉や魚や鶏の料理、スープ、サラダ、カレーに風味を添えます。 甘くてスパイシーという香しい風味は、ミルクライス、フルーツサラダ、焼き菓子(レーブクーヘン)、ティー、ドリンク類(ジンジャーエール)にも優れた味わいをもたらします。 日本では、甘酢漬けにされた生姜が寿司に添えられます。 ジンジャーはひんやりした場所に湿気を避けて保管します。 切ったジンジャーの根は、切り口を乾燥させてから冷蔵庫の野菜室に入れるのが最も日持ちします。 挽きたて、または刻みたてのジンジャーは問題なく冷凍保存が効き、数か月持ちます。
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ス
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スターアニス/八角(学名:Illicium verum)
スターアニスは、熱帯地方に育つシキミ科の常緑樹の熟した果実を乾燥させたものです。 八角形または九角形の星形をした果実は、アニスのような味がし、甘草のように甘いのですが、辛みと酸味もいくらかあります。 果皮のほうが種より風味が豊かなので、そのままあるいは挽いて使われます。 中国の五香粉のほか、カレー粉やクリスマススパイスにとっても重要な材料の1つです。
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セージ(学名:Salvia officinalis)
生葉も乾燥させたものも、セージは控え目に使いましょう。そうすれば、魚や肉や家禽に特有の臭みを消してくれます。 生葉には精油が豊富に含まれており、味はさわやか、ほのかに苦味と辛みがあって、いくらかメントールを連想させます。 セージは卵料理、ソーセージ、家禽や豚や子牛や子山羊のロースト、軽いスープやソースに風味を添えるほか、焼き魚の具としても適しています。 乾燥させたセージはミントや金属のような味がとても強くなるので、控え目に使います。 青や紫の花はいい飾りになりますが、とりたてておいしいわけではありません。 新鮮なセージは湿らせたペーパータオルで軽く包んで冷蔵庫に保管するか、刻んで製氷トレイで凍らせます。
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タイム(学名:Thymus vulgaris)
地中海沿岸生まれのハーブらしく、タイムは太陽をたっぷり浴びて育ち、肉、チキン、パスタとたいへん良く合います。 タイムの常緑の小さな葉と柔らかい茎は芳香がたいへん強く、ぴりっとした、わずかに燻したような味がします。 フランスでは、エルブ・ド・プロヴァンスというハーブミックスの材料の1つとしても使われています。 タイムは肉、家禽、野菜の料理と非常に相性が良く、羊や山羊の新鮮なチーズ、スウィーツに(蜂蜜と合わせて)風味を加えます。 花は飾り付けに使われますが、食べることもできます。 タイムには数百にもおよぶ多様な種類があることが知られていますが、その風味は、パイナップルのようなものからレモンのようなものまで、それぞれに大きく異なります。
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タマリンド(学名:Tamarindus indica)
「インディアンデート」や「サワーデート」とも呼ばれているタマリンドは、タマリンドの木の豆果です。 タマリンドの風味には大きく2種類あります。 甘いタマリンドは果肉が茶色っぽいのに対し、ぴりっと酸っぱいタマリンドの果肉はほとんど黒で、その軟らかさと色はレーズンを思わせます。 タマリンドはウスターソースやバーベキューソースなどの調味料に欠かせない材料です。 タマリンドのシロップは爽やかな飲み物やソルベ、ジャム、あめのベースになります。
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ターメリック(学名:Curcuma longa)
明るい橙黄色の根茎は、インドや東南アジアの熱帯地域で育ち、「ウコン」や「インディアンサフラン」の名でも知られています。 生のものも、乾燥させたものも、挽いたものも、あらゆるカレー粉に欠かせません。 刺激があり、ほのかに清涼感を漂わせるその風味は、肉や家禽や魚の料理、サラダ用の軽めのソース、酢漬けの野菜、あぶり焼き用の香辛料ミックスにぴったりです。 ターメリックは乾燥した場所に保管し、早めに使ってください。光に当たると風味が急速に失われ、色があせます。
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タラゴン/エストラゴン(学名:Artemisia dracunculus)
タラゴンはスープやソースの味付けによく使われますが、ピクルス、サラダ、一部のマスタードにも使われます。
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チャイブ(学名:Allium schoenoprasum var. schoenoprasum)
サラダ、スープ、ソース、家禽料理、卵料理のどれにおいても、チャイブはスパイシーな新鮮さと装飾的な見た目をもたらします。 チャイブは球根植物の一種で、球根も食べられます。 1~5 mにもなる丈の長い中空の茎は、庭で、バルコニーの鉢で、窓辺で一年中育ちます。 チャイブは必ず使う直前に切ってください。新鮮な葉野菜に添えたり、卵料理やスープやクリームソースに載せたりするのが、いちばんおいしい食べ方です。 加熱調理はしないでください。風味が損なわれます。 花は飾りや風味付けに使えます。 つぼみを定期的に摘むと、茎の繊細さとみずみずしさが保たれます。 花を咲かせると、中空の茎の苦味や渋味がきつくなります。 チャイブは乾燥させないでください。新鮮な茎を切り、刻むか冷凍します。
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チャービル(学名:Anthriscus cerefolium ssp. cerefolium)
「ポットハーブ」(煮て食べる野菜)とも呼ばれるチャービルは、明るい緑色の3枚葉や4枚葉が軽いソースやフレッシュチーズに深い味わいを添えます。 フェンネルのように繊細で、アニスのようにほのかであり、リキュールをも思わせるその風味は、どのようなサラダ、魚のグリル、芋料理やマッシュルーム料理にもよく合います。 クリームスープにこれだけを入れてもおいしく仕上がります。 高さ60 cmほどにもなるチャービルは、パセリと同じくセリ科の仲間です。 鉢植えにしてキッチンの窓辺に置けば、一年中手に入ります。 毎年、葉は花が咲く前に収穫するようにします。また、料理には仕上げに添え、加熱調理はしません。
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チリ/唐辛子(学名:Capsicum annuum)
「ペパローニ」、「ペペロンチーニ」、「ハラペーニョ」とも呼ばれるチリはトウガラシ属の仲間です。 その形から豆類と認識されることがよくありますが、植物学的には果実です。 チリの色は緑(未熟)から黄、橙、赤、深紅、紫へと変わります。 形は細長いもの、まっすぐなもの、曲がったもの、丸みのあるものなどさまざまです。 一般的に次のようなことが言えます: 小さくて色が濃いほど、辛みが強くなります。 実は生のままも乾燥させたものも使われます。 薄い隔壁と種を抜くとマイルドになります。
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ディル(学名:Anethum graveolens var. hortorum)
「キュウリハーブ」とも呼ばれるディルは中央アジアが原産ですが、今日の北ヨーロッパや東ヨーロッパの料理における重要な要素の1つとなっています。 成長すると最高で1.25 mほどになるこの地味な植物は、セリ科に属しています。 その葉、花、乾果はアニスにもキャラウェイにも似て甘く香しく、調理に使われます。 葉や花は必ず生で使います。サラダ(キュウリの!)や ソースに合いますが、ポテトや魚に添えるのにもぴったりです。 果実やつぼみのままの花は、ピクルスや野菜、香酢に最後のひとひねりを加えます。 パンにもぴったりです。
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ナツメグ(学名:Myristica fragrans)
ナツメグは同名の木の、とても硬い、ベリーのような形をした実です。 インドネシアのバンダ諸島やモルッカ諸島北部が原産ですが、今日ではアジアの熱帯や、アフリカ、南米、グレナダでも栽培されています。 料理の世界では、挽きたてのナツメグが芋料理、スープ、シチュー、ミートパティー、豚ローストの味付けに使われます。 また、カリフラワー、ほうれん草、芽キャベツ、コールラビ、赤キャベツ、パースニップに散らしてかすかにスパイスを利かせたりします。
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ハ
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バジル(学名:Ocimum basilicum)
アフリカやアジアの熱帯が原産のこの「ハーブの王様」は、はるか昔から世界のキッチンを征服しています。 150ほどある品種のうち最も広く見られるのは1年草の一般的なバジルで、これは鉢や日当たりの良い窓辺でも栽培できます。 快い甘くスパイシーな芳香を持つその葉は、ピザやパスタで人気の薬味です。 新鮮な葉はソースに、サラダやスープに、肉や魚や野菜の料理に風味を加えているほか、アイスクリーム、ソルベ、フルーツサラダ、スウィーツにも使われています。 新鮮なバジルも加熱調理によりその風味をほとんど失います。そのため、調理するなら大量に加え、そうでなければ仕上げに使います。
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バニラ(学名:Vanilla planifolia)
バニラはサフランに次いで世界で2番目に高価なスパイスです。 さまざまなバニラ品種のさやを発酵させたものから採れます。 香りの大部分を含んでいるのはさやであり、小さい種を含む黒いバニラの果肉ではありません。 そのため、調理ではさやごと使う必要があります。 バニラはほとんどすべてのスウィーツに芳香を添えていますが、魚料理やシーフードにかけられるライトソースにも使われます。
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バーネット(学名:Sanguisorba minor)
「サラダバーネット」とも呼ばれているバーネットはバラ科に属し、フランクフルトのグリーンソースに欠かせない材料です。 若い茎や葉の味にはキュウリを思わせる清涼感があります。 乾燥すると風味を失うので、生で使います。 バーネットは新鮮な葉野菜、軽いソースや野菜スープによく合いますが、ハーブ入りレモネードの風味豊かなベースにもなります。
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パセリ(学名:Petroselinum crispum)
魚料理に、肉料理に、家禽料理に――パセリはどんな料理にもフレッシュでスパイシーな香りを添えます。 芳香を放つパセリの葉は世界各地の料理に使われています。サラダにスープやソース、卵料理に野菜料理にシチューまで、ほとんどどんな料理もパセリを散らしてあったり、パセリで飾られていたりします。 刻んでフレッシュチーズに少々の塩とともに振れば、ほどよい塩味のディップの出来上がり。 スープストックや野菜スープと一緒に煮ると、茎が風味を添えます。 パセリは乾燥すると風味を失うので、湿らせたペーパータオルで包んで冷蔵庫に入れるか、刻んで製氷トレイで凍らせます。
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ヒソップ(学名:Hyssopus officinalis)
ヒソップはなぜか注目を集めませんが、その若い茎、ほのかに苦い葉、そして紫、ピンク、または白の花(7~8月)は、何ともおいしそうに脂っこいローストに散らされています。 豆類、スープ、サラダ、シチューなどの野菜との相性も抜群です。 ヒソップは生で使います。乾燥すると風味がすっかり失われます。 ちなみに、名前はアラビア語由来で、「聖なるハーブ」という意味です。 ヒソップは16世紀からスパイスや薬草として収穫されてきました。
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ピメント(学名:Pimenta dioica)
「オールスパイス」や「ジャマイカンペッパー」の名でも知られています。 原産地であるカリブ海のジャマイカ島は今でも主産地の1つで、 そこでは実だけでなくこの低木の生葉も使われています。 ピメントはアステカの時代から好まれており、主にココア飲料の風味付けに用いられていました。 16世紀初頭、この価値ある穀物は南米からヨーロッパへと伝わり、以来、ボリュームたっぷりのキャセロール、シチュー、ロースト料理の味を整えています。 ほろ苦くスパイシーな味はクローブを思わせ、食欲をそそる風味がとりわけプリンテン(クリスマスクッキー)やレーブクーヘン(ジンジャーブレッド)で広がります。 湿気のない日陰に保存してください。 ピメントは実のまま買うことをお勧めします。 実は数か月日持ちし、挽くとペッパーのようなすばらしい芳香を放ちます。
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フェヌグリークシード(学名:Trigonella foenum-graecum)
フェヌグリークシードはカレー粉の香り成分の1つです。 黄土や砂のような色をした硬くて角ばった種は、挽きたてには温かみのあるカレーのような強い芳香を放ちます。 古代エジプト人によりスパイスや薬用として使われた、このペルシャ原産のマメ科の植物は、遠く西南アジアまで伝わっています。 使う前に、フライパンで油を使わず少しばかりローストし、すり鉢で挽いてください。
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フェンネル/茴香(学名:Foeniculum vulgare var. dulce)
フェンネルは典型的な夏の植物ですが、乾燥させた種はクリスマスの焼き菓子としっかり結び付いています。 細くてほのかに甘い緑色の生葉は、葉野菜のサラダや軽いソースに合い、魚料理とは相性抜群です。 9~10月に収穫される種は粉末か全粒で使われ、パンやスープ、とりわけシチューに独特のひねりを与えるほか、消化を促します。
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ブラックマスタード(学名:Brassica nigra)
ブラックマスタードはヨーロッパ全土や北アフリカの道路や畑に沿って生えています。 この繊細な葉は7~8月に収穫でき、フレッシュチーズやサラダなどにカラシナと同じようなスパイスとして 使われます。 9月になると、黒い種を乾燥させたか挽くかしたもの、あるいは全粒が、マスタード、スパイスミックス、キュウリやパンプキンの酢漬け、肉のマリネでぴりっと活躍します。
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ブラックペッパー/黒胡椒(学名:Piper nigrum)
ブラックペッパーは同名の木の果実です。 熟していないか(緑色)熟す直前の(黄橙色)果実から得られます。乾燥させるとしなびて黒くなります。 強く鋭い、 ほのかにナッツのような風味を持ち、最も広く用いられているペッパーです。 世界中でほとんどあらゆる料理に使われており、理想的には使う直前に挽きます。 コショウの実は、丸ごとスープストックやスープ、マリネに使うことができます。
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ブラジリアンペッパー(学名:Schinus terebinthifolius)
「クリスマスベリー」とも呼ばれるブラジリアンペッパーは、中南米に自生するブラジリアンペッパーの木の実です。 ウルシ科の植物で、ブラックペッパーとは何の共通点もありません。 ブラジリアンペッパーはかすかに辛く、いくらか甘味がありますが、ジュニパーを思わせるフローラルでフルーティーな芳香も豊かです。 羽のように軽い、乾燥したピンクや赤の実は――挽きたてに――魚料理やカレー、アスパラガスなどの一部の 野菜によく合います。
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ベイリーフ(学名:Laurus nobilis)
月桂樹のこの常緑の葉は、古代ギリシャのオリンピック選手の頭を飾りました。 光沢のある深緑色の葉は、乾燥させたものより生葉の方が、芳香を放ち、強い風味を添えます。 そのため、控え目に使います。 ベイリーフはブーケガルニに欠かせない材料であり、スープストック、スープ、ソースでぐつぐつと煮られ、ロースト料理やシチュー(グラーシュ)に添えられ、狩猟の獲物の肉の料理やキャベツの料理(赤キャベツ、ザワークラフト)とよく合います。 葉はとても苦いので、料理を食卓に出す前に取り出してください。 2,500種もあるクスノキ科のなかで、ベイリーフほどの芳香を持つものは数種しかありません。地中海沿岸で低木ないし樹木として育ちます。 ヒント: 米や小麦粉などの穀物の中にベイリーフを入れておくと、虫除けになります。
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ペパーミント(学名:Mentha x piperita)
清涼感ある芳香を放つペパーミントは、ソース、サラダ、野菜やラム肉の料理のほか、数多くのスウィーツとの相性がぴったりです。 あまたあるミントの例に漏れず、純粋なペパーミントは精油が豊富で、そのため控え目に使います。 イチゴ、フルーツサラダ、アイスクリーム、ソルベ、グラニータに刻んだ生葉を添えると、味にひとひねり加えられます。 ペパーミントは豆類や芋類との相性が抜群で、野菜料理の風味を豊かにし、家禽料理に、とりわけフルーツを含んでいるものに清涼感を添えます。 ハーブティーにする場合は、新鮮な葉からいれると最もおいしく飲めます。 葉を乾燥させるのは花が咲く前にしてください。ひんやりするメントールはその時期の葉に最も多く含まれています。
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ホースラディッシュ(学名:Amoracia rusticana)
「農民のマスタード」とも呼ばれ、オーストリアでは「クレン」とも呼ばれているホースラディッシュは、そのコショウのようにぴりっとした刺激で、肉料理(ターフェルシュピッツ(牛肉の煮込み))、魚料理、卵料理、生野菜サラダ (赤カブなど)と抜群の相性を示します。 新鮮な根の皮をむき、刻んだりすりつぶしたりしてフレッシュチーズと混ぜると、おいしいサンドイッチスプレッドになります。 ホースラディッシュの根は、不凍土から一年中収穫できます。
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ボリジ/ルリジサ(学名:Borago officinalis)
ボリジにはかすかな苦味とキュウリのようなさわやかさがあります。 デリケートな葉が最もおいしく、成熟して硬くなった葉は味が強くなります。 クリームチーズやクワルク、卵料理、(キュウリ)サラダにぴったりですが、ほうれん草とキャベツのサラダの薬味にもなります。 小さな青紫の花は食べることもでき、デザートやサラダ、喉を潤す冷たい飲み物のきれいな飾りになります。 角氷の中で凍らせて使うこともできます。
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マグワート(学名:Artemesia vulgaris)
マグワートは、ドイツでは「ベーゼンクラウト(ほうきハーブ)」や「ゲンゼクラウト(ガチョウハーブ)」とも呼ばれていました。これは、2メートルほどまで成長する枝がほうきとして使われていたこと、また、つぼみのついた新鮮な若枝や乾燥させた若枝が、脂っこいブタやガチョウの肉にかすかな苦味を加えるために使用されていたことによります。 含まれている苦味物質は、胃液や胆汁の産生を刺激するため、その結果、消化が促進されます。
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マジョラム(学名:Origanum majorana)
マジョラムは典型的な地中海スパイスですが、はるか遠くのヒマラヤあたりまで普及しています。 柑橘系の花を思わせる強い芳香があり、舌を焼くような、というほどではないですが、体が温まる味がします。 葉は生で、あるいは乾燥させて、芋類の料理、スープ、ソース、ソーセージ(そのため「ソーセージハーブ」とも呼ばれています)、豆類の料理に用います。 ペッパーやナツメグ、そして(特に鹿肉料理で)ジュニパーと混ぜてもよく合います。
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ラベージ(学名:Levisticum officinale)
ラベージが「マギーハーブ」とも呼ばれている(ちなみにマギーの調味料には含まれていません)のは偶然ではなく、あらゆる肉や野菜の煮だし汁にセロリのような味を添えるからです。 生葉はとりわけ強い風味を持っています。乾燥させると風味がすぐ失われますが、冷凍保存が利きます。 ラベージは具だくさんの温かい(ポテト)スープやシチューとの相性が抜群ですが、少量ならサラダにも使えます。
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レモングラス(学名:Cymbopogon citratus)
パリパリしたレモングラスの葉の持つ柑橘系のような強い風味ほど、いかにもアジア料理を思わせるスパイスは他にはほとんどなさそうです。 高さ2メートルにまで達するこの東インド原産の草は、今ではアジア中の熱帯地域に生えています。 レモングラスが最もいい味を出すのは採りたてで、家禽や魚介の料理、ソースやマリネによく合います。 コリアンダー、エシャロット、ガーリックとの相性が抜群です。
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レモンバーム(学名:Melissa officinalis)
レモンバームは東地中海沿岸に自生しており、刻まれた新鮮な葉は多くの料理に清涼感のあるレモンのような味をもたらします。 魚料理、家禽料理、サラダと相性が良く、またリンゴ、イチゴ、メロンなどの果物にも合います。 レモン汁が使われる料理に、清涼感のあるハーブのような香りを添えます。 よく冷えたアイスティーに使うと、素晴らしい夏の清涼飲料ができます。 レモンバームの花は蜜が豊富で、ミツバチに好まれます。
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ローズマリー(学名:Rosmarinus officinalis)
典型的な地中海スパイスで、今では世界中のほぼどこの家庭のキッチンにもあります。 この常緑樹の葉は、古代ローマの時代から肉料理に使用されていました。 枝の柔らかい先端と針のような葉は芳香がたいへん強く、味は苦めで、ユーカリを連想させる強い刺激を持っています。 新鮮なローズマリーは、地中海料理、ラム料理、家禽料理、豚ロースト、野菜スープ、羊や山羊のチーズの生食やあぶり焼きやマリネ、スパイスパンとよく合います。 肉、魚、野菜、芋類のグリル料理に新鮮なローズマリーを添えると間違いなく食欲をそそる風味が付きます。 乾燥すると風味をすぐに失うので、必ず新鮮なもの使います。
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ワイルドガーリック(学名:Allium ursinum)
栽培作物化された兄弟分であるガーリックの陰に長いこと隠れていたのですが、ここ数年で美食道の表舞台への入口を見つけたようです。 35 cmほどまで成長するこの植物は、西ヨーロッパや中央ヨーロッパの小川沿いや落葉樹林にもう何千年も生えています。 葉、つぼみ、花は天候に応じて3~6月に収穫できますが、球根は花が咲いた後にしか収穫できません。 ワイルドガーリックは必ず生で使います。 味はマイルドなガーリックやきついチャイブを思わせます。 控え目に使うと、スープ、サラダ、生野菜、野菜のソテーによく合います。 油や酢でマリネにしてペストウを作ることもできます。
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